as it is

 

–2016

–インスタレーション

–木材(スギ・ホオ・アカマツ・タモ・クリ・ウォールナット・チーク・パープルハート他)・スチール

–東京藝術大学美術学部総合工房棟前グラウンド

 


 

形態を構造解析して得た応力の違いを、樹種の違いで解決し、パヴィリオンを制作する。

構造を樹種の違いによってとることで、形態が構造的な束縛から解放される。

 

かたちが、ただかたちとして存在すること。

素材が、素材らしくあること。

「それのそれらしさ」について考える。

 

 

 

 

a.計画

 構造を樹種の違いによってとることで形態が構造的な束縛から解放される。例えば、通常であれば高さや開口、アンカーの位置、メッシュの粗密を調整して応力の分布が均一になるように形態を調整しなければならないが、ここではメッシュの粗密や高さを自由に扱うことができる。粗いメッシュは境界性が低く通り抜けが可能であり、密なメッシュは壁のように機能しうる。

 

b.設計プロセス

 以上のように計画された形状は、平面決定、立面決定、樹種決定の3つの決定プロセスによって設計される。

 b-1.平面設計プロセス

 まず、平面決定プロセスでは、主にメッシュの粗密を扱う。(構造的合理性とは無関係に)のちにメッシュの結節点(ノード)となる点の配置に粗密をつくる。

 b-2.立面設計プロセス

 次に、決定された平面に高さを与える。ここでは、メッシュのエッジを梁として大たわみ解析をかけることで立面形状を得る。

 b-3.樹種決定プロセス

 こうして得られたメッシュモデルをもとに構造計算を行う。構造計算は、Karambaという有限要素解析ソフトウェアを用いた。解析結果は、どの部材にどれだけの軸力が発生するか、という形で得られる。これをもとに、線材に用いられる樹種を選定していく。軸力の大きさに応じて線材を7つのクラスターに分類し、それぞれに3~4種類の樹種を割り当てていく。これにより、各軸力に対して適切な強度の部材が割り当てられる。

 

c.制作プロセス

 このようにして設計された形状をもとに、接合部のジオメトリを決定していく。構造の結節点同士の関係から、接合部における曲率を計算し、接合パーツのジオメトリを生成する。制作の際に必要になる、木材を加工するための治具、そして接合パーツを溶接するための治具は、これら生成されたジオメトリをもとに、自動的に計算、モデリングされ、パラメータが変化するたびに都度異なるカットデータを出力する。すべての材料は結節点の番号によってアイデンティファイされていて、設計、加工、組み立ての全ての段階において、管理されている。

 


photo /  Kosuke Nagata